昨年に続き、本授業では「概念」とは何かという伝統的な哲学問題に対し、数学・機械学習理論・認知科学という3つの側面からアプローチする。とりわけ本年は、概念の帰納推論における役割に着目する。まず前半において、概念についての4つの理論的類型として、(1)束代数的概念論、(2)位相的概念論、(3)関数的概念論、(4)群論的概念論の区分を確認した後、それらの間の理論的な関連性を考察する。後半では、カントおよびカッシーラーの議論を参照軸としつつ、感覚の概念化に関する理論の素描、およびそこにおける帰納推論の位置づけを考える。
各回ごとテキストを読み、議論する